
今回は、中古一戸建て住宅をフルリノベーションした素敵なお宅の撮影現場から、竣工写真における「空間撮影」と「ディテール(部分)撮影」の使い分けテクニックをお届けします。
リノベーション物件や注文住宅の竣工写真では、部屋全体の広がりを見せる「空間写真」だけでなく、施主様や設計者様がこだわり抜いた「素材感・パーツ・造作家具」といったディテール写真のクオリティが、カタログやWebサイトの訴求力を大きく左右します。
今回は、現場で実践しているプロのレンズ選択や絞り設定、写真にストーリーを生み出すアングルの工夫について解説いたします!
① 広角レンズで空間全体を美しく収める(絞りF11〜F14のポイント)
リノベーションによって生まれ変わったお部屋全体や開放的な吹き抜け空間を撮影する際は、広角レンズを使用します。
広角レンズは空間を広く見せることに適していますが、プロの竣工写真撮影では設定に細心の注意を払います。
絞り値(F値)の設定:F11〜F14程度までしっかり絞り込む
狙い:手前の家具から奥の壁面まで、部屋全体にピントが合ったシャープな写真を撮影するため
ライティング:天井のダウンライトからの光の回り込みや影の出方を計算して位置を調整
手前から奥まで均一にピントを合わせることで、施工の美しさや空間の広がりを正確に伝えることができます。
② ディテール撮影は「近づく」のではなく「離れて望遠(70mm)」で狙う
リノベーション物件の魅力である「新作キャビネットの取っ手」や「こだわりのクロス・タイルの質感」を撮影する際、多くの方が「被写体にグッと近寄って広角で撮る」という失敗をしてしまいがちです。
近距離で広角レンズを使うと、パース(遠近感)が強くつきすぎてしまい、せっかくの造作家具やパーツの形がぎゅっと歪んでしまいます。
建物写真店では、以下のステップで自然な質感を引き出します。
カメラポジションを少し引き(離し)、標準〜望遠域(70mm前後)のレンズに切り替える
離れた位置からズームで寄って撮影する
こうすることで、人間の目で見た印象に近い、形が歪まない美しいディテール写真を撮影することができます
③ 単体ではなく「周りの状況」を入れてストーリー性を生む
パーツやディテールを撮影する際、もうひとつ重要なのが「周りの関係性(文脈)を写真に含める」ことです。例えば、キャビネットの取っ手を撮影する場合、取っ手だけをアップで切り取ってしまうと、それがどこにある何なのかが伝わりにくくなってしまいます。
少し高めの位置から俯瞰ぎみに狙う
手前にキッチンの天板などを少し映し込む
主役(取っ手)を際立たせつつ、背景や手前のボケ感(F4〜F7.1)を調整する
「キッチンの空間の中に、このこだわりの取っ手がある」というストーリーが1枚の写真の中で表現され、カタログやSNSで目を引く「味のある写真」に仕上がります
④ 建物写真店が「カメラ2台持ち」で現場に臨む理由
広角での空間撮影と、望遠でのディテール撮影では、求められるレンズ性能が全く異なります。1本のレンズで無理に賄おうとすると、歪みが生じたり、レンズ交換のタイムロスや埃の混入リスクが発生してしまいます。そのため、建物写真店のカメラマンは基本的に「カメラ2台持ち」で現場に入ります。
1台目:広角レンズを装着(空間全体・引きの撮影用)
2台目:標準・望遠ズームレンズを装着(ディテール・よりの撮影用)
常に2台のカメラを準備しておくことで、現場の光の移り変わりや限られた撮影時間の中でも、テンポよく高品質な竣工写真をバリエーション豊かに残すことが可能になります。
- まとめ:まとめ:こだわりの機材で建物の価値を最大化する竣工写真を
- 今回は、竣工写真撮影における広角・超広角・標準レンズのそれぞれの特徴と使い分けについてご紹介しました。
広角レンズで空間の広さを正しく伝え、標準レンズで意匠や素材の美しさを丁寧にすくい取る。このバランスこそが、カタログやWEBサイトで人の心を動かす竣工写真を生み出す鍵となります。
「自社の建築実績を、より魅力的でクオリティの高い竣工写真として残したい」
「物件のコンセプトに合わせた撮影方法を提案してほしい」
という工務店様・設計事務所様・不動産会社様は、ぜひ建物写真店までお気軽にお問い合わせください!
- 元動画はこちらからどうぞ!
(https://youtu.be/JEFXQG55QcU) - 「それいけ!建物写真店」では、これからもカメラマンの裏話やニッチな機材紹介をやっていきますので、面白いなと思ったらぜひチャンネル登録と高評価もよろしくお願いします!
建物写真店のご利用はこんな方にオススメです
建物写真店へ撮影のご相談をいただくお客様は、
建築・空間撮影が得意なプロのカメラマンへ写真撮影を依頼することが「初めて」の場合がとても多いのが現状です。
何を聞けばよいのか分からない。そんなお悩みでも、些細な相談でもまずはご連絡くださいませ。
可能な限り丁寧にご説明をさせていただきます。


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